*Surfsharkは中国で使える?接続できない時の対処法も専門家が解説

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筆者名:城咲子(じょう せきこ)

情報システム部でセキュリティを担当している城咲子です。セキュリティに関する情報や日常の出来事(グチやボヤキ笑)などを発信していきます。(情報処理安全確保支援士/登録セキスペ/CISSP)

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こんにちは、CISSP/登録セキスペの城咲子です。

企業のセキュリティ担当として、海外出張時の安全なインターネットアクセスの確保は重要な課題の一つです。特に中国では「グレート・ファイアウォール(金盾)」と呼ばれる強力なインターネット検閲システムがあり、Google、X (Twitter)、YouTubeといった多くの海外サービスにアクセスできません。

この検閲を回避するためにVPNは必須のツールとなりますが、「どのVPNでも中国で使えるわけではない」のが現状です。

そこでこの記事では、「Surfsharkは中国で利用できるのか?」という疑問に、セキュリティの専門家としてお答えし、万が一接続できない場合の対処法まで詳しく解説します。

結論:Surfsharkは中国で使える可能性が高い

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まず結論からお伝えすると、Surfsharkは中国でも利用できる可能性が高いVPNの一つです。

多くの安価なVPNが中国の規制によってブロックされてしまう中、Surfsharkが接続を維持できるのには、技術的な理由があります。

理由:難読化技術「NoBordersモード」

Surfsharkには「NoBordersモード」という特別な機能が搭載されています。これは、VPNを使用していること自体を検閲システムから隠す「難読化(Obfuscation)」と呼ばれる技術です。

通常のVPN通信は、その通信パケットの形式から「VPNを使っている」と識別されやすい特徴があります。グレート・ファイアウォールは、この特徴を検知して通信をブロックします。

しかし、NoBordersモードを有効にすると、VPNの通信が通常のHTTPS通信(Webサイトを閲覧する際の通信)であるかのように偽装されます。これにより、検閲システムに検知されにくくなり、中国国内からでも接続が可能になるのです。

中国でSurfsharkを使うための事前準備【最重要】

中国でSurfsharkを確実に利用するためには、必ず中国へ渡航する前に、日本国内で以下の準備を済ませておく必要があります。

  1. Surfsharkの契約を済ませる: 中国国内からはSurfsharkの公式サイト自体にアクセスできない可能性があります。
  2. アプリをデバイスにインストールする: 公式サイト同様、中国国内のアプリストアからはVPNアプリをダウンロードできないことが多いです。利用する予定のPC、スマートフォン、タブレット全てに事前にインストールしておきましょう。

この準備を怠ると、現地でVPNが使えず、非常に不便な思いをすることになります。出張前のタスクリストに必ず加えるようにしてください。

中国でのSurfsharkの使い方と設定

現地に着いたら、以下の手順で接続を試みてください。

  1. アプリを起動し、設定を開く まずはSurfsharkのアプリを起動します。

  2. 「NoBordersモード」を有効にする アプリの「設定」→「VPN設定」の中に、「NoBorders」という項目があります。これをオンにしてください。この設定が最も重要です。 [f:id:ユーザーID:日付/ファイル名:plain]

  3. プロトコルを「OpenVPN (UDP)」に設定する 同じく「VPN設定」内の「プロトコル」を「自動」から「OpenVPN (UDP)」に変更します。難読化技術は通常OpenVPNプロトコルと組み合わせて機能するため、この設定が推奨されます。

  4. サーバーに接続する 設定が完了したら、メイン画面に戻り、日本、アメリカ、シンガポールなど、物理的に近く、通信が安定している国のサーバーに接続します。

Surfsharkが中国で繋がらない時の対処法

上記の設 定を行っても、タイミングや場所によっては接続が不安定になることがあります。中国のインターネット規制は常に変化しており、VPNサービスとの「いたちごっこ」が続いているためです。

もし繋がらない場合は、以下の対処法を順番に試してみてください。

1. 別の国のサーバーに接続してみる

まず試すべきは、接続先サーバーの変更です。 例えば、日本のサーバーで繋がらなければ、韓国、シンガポール、アメリカ西海岸(ロサンゼルスなど)のサーバーを試してみてください。国によっては複数のサーバーが用意されているので、同じ国内の別サーバーに切り替えるだけでも改善することがあります。

2. プロトコルを変更してみる

「NoBordersモード」は「OpenVPN」プロトコルで機能しますが、状況によっては他のプロトコルの方が安定することもあります。設定画面からプロトコルを「WireGuard」や「IKEv2」に変更して、接続を試してみてください。

3. アプリの再起動・デバイスの再起動

基本的なことですが、アプリやデバイス自体を再起動することで、接続状況がリフレッシュされて繋がることがあります。ITトラブルシューティングの基本ですね。

4. Surfsharkサポートに問い合わせる

ライブチャットやメールでサポートに問い合わせると、その時点で中国からの接続実績があるサーバーを教えてくれることがあります。これは非常に有効な手段なので、渡航前にサポートへのアクセス方法をブックマークしておくと良いでしょう。

中国でのVPN利用に関する注意点

最後に、セキュリティ担当として重要な注意点をお伝えします。

  • 100%の接続保証はない: 中国の規制は非常に流動的です。特に、全国人民代表大会などの重要な政治イベントの期間中は、規制が強化されて多くのVPNが使えなくなる傾向があります。
  • 現地での法律: 中国では政府が承認していないVPNの利用は法的にグレーな領域にあります。外国人が個人的に利用して罰せられたという話は稀ですが、利用は自己責任で行う必要があります。

まとめ:Surfsharkは中国渡航の有力な選択肢

Surfsharkは、「NoBordersモード」という強力な機能を備えており、中国の厳しいインターネット検閲下でも利用できる、コストパフォーマンスに優れた有力な選択肢です。

▼中国でSurfsharkを使うためのポイント

  • 【最重要】渡航前に日本で契約とアプリのインストールを済ませる。
  • 現地では「NoBordersモード」を有効にする。
  • 繋がらない時は、サーバーやプロトコルを変更してみる。

完璧な保証はありませんが、適切な準備と設定を行えば、中国出張や旅行の際に、日本の情報にアクセスしたり、家族と連絡を取ったりするための心強い味方となってくれるでしょう。

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Surfsharkのサービス全体の詳細については、以下の記事で網羅的に解説しています。

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