企業の商用サーバー向けEDR導入ガイド:市場動向、課題、そして未来の運用戦略

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筆者名:城咲子(じょう せきこ)

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企業の商用サーバー向けEDR導入ガイド:市場動向、課題、そして未来の運用戦略



エグゼクティブサマリー

 

本レポートは、企業のOA端末ではなく、国内の商用環境(プロダクション環境)に導入されるサーバーサイドEDR(Endpoint Detection and Response)に焦点を当て、その市場動向、導入・運用課題、そして具体的な対策について詳細に解説する。今日のサイバー攻撃は従来の防御策を容易にすり抜けるため、侵入を前提とした事後対策としてのEDRは、事業継続性を確保するために不可欠なセキュリティレイヤーとなっている。

国内EDR市場は、MDR(Managed Detection and Response)サービスの需要拡大に牽引され、急速な成長を遂げている。特にCybereasonは複数の市場調査レポートで国内シェアNo.1を長年獲得し、市場を牽引する存在である。しかし、この成長の裏側には、導入時および運用後の深刻な課題が存在する。導入時には、サーバー性能への影響や、レガシーシステム、特にLinuxサーバーにおける既存セキュリティ機能との互換性が大きな技術的障壁となる。さらに、最も深刻な課題は、EDRが生成する膨大なアラートの監視・分析を担うセキュリティ専門人材の圧倒的な不足である。これにより、多くの企業が「アラート疲れ」に陥り、EDRの真価を発揮できない状況に直面している。

これらの課題を克服するための最も現実的な解決策は、MDRサービスの活用である。専門的な監視・運用を外部に委託することで、人材不足を補い、自社では困難な24時間365日の高度なセキュリティ体制を実現する。また、EDRの進化形であるXDR(Extended Detection and Response)は、エンドポイントに加えてクラウドやネットワークのデータを統合分析することで、より効率的かつ高精度な脅威検知を可能にし、セキュリティオペレーションの生産性を飛躍的に向上させる。本レポートは、これらの知見に基づき、企業がEDR導入から運用に至るまで、成功に向けた戦略的なロードマップを提言する。

第1章:国内サーバー向けEDR市場の現状と主要ベンダー

1.1 なぜ今、サーバー向けEDRが不可欠なのか

近年、サイバー攻撃は従来の防御策を無効化するほど高度化・巧妙化している。従来のアンチウイルスソフトウェア(Endpoint Protection Platform: EPP)は、既知のマルウェアの侵入を水際で防ぐことに特化しているが、マルウェアファイルを使用しない「ファイルレス攻撃」や、正規のOSツールを悪用する「Living off the Land(環境寄生型)攻撃」など、未知の脅威が増加している 1。このような攻撃は、EPPの検知をすり抜けて内部に侵入することが多いため、侵入された後の被害を最小限に抑えるための事後対策が重要視されている。

EDRは、サーバー内のプロセス実行やファイル操作、通信といったあらゆる挙動を継続的に記録・監視する、いわば「監視カメラ」のような役割を担う 2。不審な挙動が検知されると、管理者に即座に通知し、迅速な対応を可能にすることで、攻撃の拡大を防ぐ 5。さらに、テレワークやクラウドの普及により、企業のIT環境はネットワークの内と外の境界が曖昧になり、従来の境界防御型セキュリティモデルは限界を迎えている。EDRは「何も信頼しない」ゼロトラストセキュリティモデルの根幹を成す要素であり、サーバーを含むすべてのデバイスを継続的に監視・保護することで、企業ネットワーク全体のセキュリティレベルを向上させる 1

 

1.2 国内市場シェアと主要ベンダーの動向

国内EDR市場は、サイバー攻撃の高度化と、セキュリティ人材不足という喫緊の課題を背景に、急速な成長を続けている。IT専門調査会社であるITRのレポートによれば、国内のマネージドEDR市場は2022年度に前年度比42.6%増を記録しており、市場全体の強い需要を物語っている 7。この成長は、単なるEDR製品の導入だけでなく、その運用を外部に委託するMDRサービスの需要が牽引していることが明らかである 7

市場のリーダーシップにおいては、Ctbereason(サイバーリーズン)が圧倒的な存在感を示している。富士キメラ総研やITRといった複数の調査機関のレポートにおいて、サイバーリーズンは国内EDR/NGAV市場で長年にわたりシェアNo.1を獲得している 10。2021年度には出荷金額ベースで36.0%の国内シェアを記録しており 14、その地位は揺るがないものとなっている。この市場シェアは、単に製品性能の高さだけでなく、MDRサービスを通じて運用負荷の軽減という顧客の課題に応えていることが背景にある 10

各主要ベンダーは、それぞれ異なる強みを打ち出している 16

  • Cybereason: AIを活用した高精度な検知と、攻撃の全体像を「攻撃ストーリー」として直感的に可視化するUIが特徴である 17。エージェントの軽量性も高く評価されており、サーバーへの性能負荷を最小限に抑えながら運用できる 16
  • Microsoft Defender for Endpoint: Windows OSやMicrosoft 365とのシームレスな統合が最大の強みである 16。Microsoftのエコシステムを広く利用している企業にとって、一元的な管理と高度な脅威インテリジェンスの活用は大きなメリットとなる。
  • CrowdStrike: クラウドベースの軽量な設計で、ゼロデイ攻撃やAPT(高度な持続的脅威)攻撃に特化した検知能力を持つ 16。AWSやAzureとの強力なパートナーシップを築いており、クラウド環境のセキュリティに強みを発揮する 19
  • SentinelOne: AIによる自律的な防御、検知、対応を掲げており、GartnerのEPP Magic Quadrantでリーダーに位置付けられている 21

このように、EDR市場は単なる製品提供の競争から、MDRサービスを含めた「運用」の提供へと価値の軸足を移している。企業がEDRを導入する目的は、製品の購入そのものではなく、継続的なセキュリティ運用を通じて事業リスクを低減することにある。この流れは、サイバーセキュリティがツールを導入する一過性のプロジェクトではなく、恒常的な「運用戦略」へと移行している企業全体の動向を反映している。

 

1.3 CWPP(Cloud Workload Protection Platform)との関係性

ユーザーの関心は「サーバーサイド」のEDRにあるが、現代の商用環境(本番環境/プロダクション環境)における「サーバー」の定義は拡張されている。従来の物理サーバーや仮想マシンに加え、コンテナやKubernetesなどのクラウドネイティブなワークロードが広く利用されている。この文脈において、EDRとCWPP(Cloud Workload Protection Platform)は不可分な関係にある 23

EDRが物理・仮想サーバーのエンドポイントの挙動を監視するのに対し、CWPPはコンテナレベルでのセキュリティに特化している 23。両者は異なるレイヤーの脅威に対応するが、相互に補完し合うことで、より包括的なセキュリティ体制を構築することが可能になる 24。プロダクション環境が多様化する中で、真に「サーバーサイド」のセキュリティを確保するためには、EDRの概念を物理環境だけでなく、クラウド上のコンテナワークロードにまで拡張し、両者を統合した戦略を策定する必要がある。

 

表:国内EDR市場シェア概観

 

ベンダー名

市場シェア

調査機関

調査対象市場

サイバーリーズン

36.0%(2021年度)

富士キメラ総研

国内EDR市場

サイバーリーズン

24.8%(2023年度)

ITR

EDR/NGAV市場

第2章:サーバー向けEDR導入における具体的な課題と対策

2.1 サーバー性能への影響と緩和策

サーバー向けEDR導入の最大の技術的障壁の一つは、プロダクション環境のパフォーマンスに与える影響である。EDRエージェントはCPU、メモリ、ディスクI/Oに継続的な負荷をかける 15。OA端末ではこの負荷は軽微であることが多いが、厳格なパフォーマンス要件を持つ商用サーバーにおいては、わずかな性能劣化がシステム停止やサービス中断という致命的な事業リスクに直結する可能性がある 27

この性能問題に対処するため、多くのEDR製品は、膨大なログの解析やAI処理をエンドポイントではなく、クラウド上の管理サーバーで集中的に実施する設計を採用している 15。これにより、サーバー自体のリソース消費を最小限に抑えることが可能になる。また、EDRエージェントから収集されるログデータはネットワーク帯域にも影響を及ぼすため、導入前に通信量を適切に見積もり、既存のネットワークインフラに悪影響がないことを確認することが不可欠である 26

サーバー向けEDR選定においては、脅威の検知能力だけでなく、システムへの影響の少なさが重要な判断基準となる。この事実は、EDR導入の目的を「セキュリティ強化」だけでなく、「事業継続性の確保」という視点から再定義する必要があることを示している。

 

2.2 レガシーシステムおよび特殊環境との互換性問題

EDRエージェントは、すべてのOSやアプリケーションに対応しているわけではない。特に製造業のOT(Operational Technology)環境で利用されるWindows XP/7のようなサポート切れOSや、特殊な業務アプリケーションとの競合により、エージェントの導入が困難なケースが存在する 27。既存のアンチウイルス製品やIT資産管理ツールとの互換性を事前に確認することも重要である 29

これらの課題を回避するためには、包括的な事前評価と段階的な導入が不可欠である。まず、導入対象となるすべてのサーバー、OSバージョン、既存のアプリケーションを詳細に洗い出し、ベンダーに互換性を確認する。次に、いきなり本番環境に導入するのではなく、テスト環境で互換性やパフォーマンスを十分に検証し、問題がないことを確認した上で本番展開に進むべきである 32

 

2.3 導入コストの最適化

EDR導入にかかるコストは、提供形態によって大きく異なる。クラウド型EDRは、初期費用が抑えられ、ライセンス費用(1デバイスあたり月額500円~1,500円、年間6,000円~18,000円)が中心となる 31。一方、オンプレミス型は、管理サーバーのハードウェア調達や構築、保守費用を含め、数百万円から1,000万円程度の初期費用がかかる場合がある 33

オンプレミス型は初期費用だけでなく、サーバーハードウェアの更新、運用管理、保守にかかる手間といった目に見えないコスト(総所有コスト、TCO)が上乗せされる。サーバー環境のEDR導入では、単にライセンス費用だけを比較するのではなく、運用にかかる人件費や管理コストを総合的に評価し、どちらが自社の予算とリソースに最適かを判断することが、長期的な成功の鍵となる。

第3章:導入後の運用課題:人材、アラート、体制の観点から

3.1 深刻化するセキュリティ人材不足と運用負荷

EDRを導入した後の最大の課題は、運用の担い手となる専門人材の確保である。EDRは膨大な量のログやアラートを生成するため、それらを分析し、インシデントの重大性を判断するには、高度な専門知識と経験が不可欠である 35。しかし、IT業界全体でセキュリティ人材は慢性的に不足しており、特に中小企業では専任の担当者を確保すること自体が困難な状況にある 15

この人材不足は、EDR導入の効果を最大化できないという直接的なリスクを生み出す。多くの企業がツールを導入しただけで運用が滞り、「ツール導入が目的化」する事態に陥りやすい 38。この問題は、もはや個社で解決できるレベルを超えており、MDRサービスの需要を急加速させる原動力となっている。セキュリティ人材を自社で育成するには費用と時間がかかるため、外部の専門家との連携が現実的な解決策となる 35

 

3.2 過剰なアラートと「アラート疲れ」問題

EDRは不審な挙動を広範囲に検知するが、その結果、業務アプリケーションの正常な動作を誤って「脅威」として検知する、いわゆる誤検知(False Positive)が発生することがある 36。これらのアラートが過剰に発生すると、運用担当者は「アラート疲れ」に陥り、本当に重要な脅威を見落とす危険性が高まる 35

この課題への対策として、導入時の適切な初期チューニングが不可欠である。業務で利用するアプリケーションをホワイトリストに追加したり、重要度の低いアラートのフィルタリング設定を適切に行うことで、アラートの数を減らし、担当者の負担を軽減できる 42。また、AIを活用してアラートを自動分類し、真に脅威となるものだけを通知する製品を選ぶことも有効である 36

過剰なアラートは、人間の認知限界と相まって、最も対処すべき脅威を見逃すという深刻な運用リスクを生む。この問題は、EDR導入を単なるITプロジェクトではなく、運用設計と組織の対応力を包括的に見直すセキュリティプロジェクトとして捉える必要があることを示している。

 

3.3 インシデント発生時の対応フロー未整備問題

EDRの真価は、脅威を検知した後の「封じ込め」や「復旧」までを迅速に行うことで被害を最小化することにある 5。しかし、多くの企業では、インシデント発生時に「誰が」「どのような手順で」対応するかという明確なフローが整備されていない。これにより、検知後の初動対応が遅れ、せっかくEDRを導入しても効果を十分に発揮できない事態に陥ることがある 40

この問題への対策として、IR(Incident Response)計画の策定が不可欠である。関係部門(IT、法務、広報など)を巻き込み、インシデント発生時の連絡体制、役割分担、対応手順を事前に詳細に定める必要がある 40。また、外部のMDR/SOCサービスを活用することで、初動対応の迅速性と確実性を担保できる。

第4章:課題を克服するための戦略的ソリューションとベストプラクティス

4.1 MDR(Managed Detection and Response)サービスの活用

EDR運用における深刻な人材不足を補う最も現実的かつ効果的なソリューションがMDRサービスである。MDRサービスは、EDRが生成するアラートの監視、トリアージ、調査・分析、そして初動対応(端末隔離など)を、24時間365日体制で専門家が代行する 35。これにより、自社運用では困難な高度なセキュリティ体制を実現し、企業のセキュリティ担当者は本来の業務にリソースを集中させることが可能になる 45

MDRサービスは、EDRベンダー(Cybereason、CrowdStrikeなど)自身が提供するものと、SIerやセキュリティ専門企業(NRIセキュア、CTC、セコムトラストシステムズなど)が提供するものに大別される 43。料金体系は、ライセンス数に応じた定額制から、チケット制、見積もり制まで様々である 50。例えば、CEC SOCは1,000台あたり月額30万円から、セキュアエッジはEDRライセンス込みでPC1台あたり月額990円から提供している 51。これらのサービスは、単に運用を代行するだけでなく、企業がセキュリティを「事業を阻害するコスト」から「事業継続性を担保する投資」へと位置づけを変える、重要な戦略的選択肢となる。

 

表:主要MDRサービスプロバイダー比較表

 

サービス名

対応EDR製品

料金体系(目安)

監視体制

提供範囲

Cybereason MDRサービス

Cybereason EDR

要問い合わせ

24時間365日

監視、調査、分析、初動対応

CEC SOC

Sophos製品など

月額30万円~/1,000台

24時間365日

検知・通報、初動対応(隔離)、調査支援

セコムトラストシステムズ

CrowdStrike Falcon

要問い合わせ

24時間365日

監視、検知、通知、対応代行(隔離)

セキュアエッジ

要問い合わせ

月額990円/台

運用おまかせ

運用代行サービス

SCSKサービスウェア

要問い合わせ

要問い合わせ

要問い合わせ

運用支援(QA、監視、レポート)

富士通Japan

Trend Micro, Microsoft

要問い合わせ

監視代行

監視、通報、ログ分析、ネットワーク隔離代行

 

4.2 XDR(Extended Detection and Response)による多層的な可視化

現代のサイバー攻撃は、エンドポイントを足がかりにネットワーク、クラウド、アイデンティティを横断して拡大する。EDRがエンドポイント単体の監視に留まるのに対し、XDR(Extended Detection and Response)は、エンドポイントのログに加え、ネットワーク、クラウド、メール、アイデンティティ情報などを横断的に収集・分析する 36

この多層的な可視化は、複数のセキュリティツールの間に隠れた攻撃経路を明確にし、攻撃の全体像を「攻撃ストーリー」として提示する。これにより、単発のアラートではなく、一連の悪意ある行動を「MalOp(Malicious Operation)」として検知するため、アラートの数を劇的に減らすことが可能になる 53。また、攻撃の起点から影響範囲までを自動で紐づけるため、セキュリティアナリストの調査時間を大幅に短縮し、より戦略的な脅威ハンティングや予防策の立案に集中できるようにする 53。XDRは、セキュリティチームの生産性を高めるための重要なツールであり、EDRの概念をさらに進化させたものである。

4.3 Linuxサーバー環境における特有の対策

Linuxサーバーは、オープンソースソフトウェアを多用し、特殊な環境で稼働していることが多いため、EDR導入にはWindowsサーバーとは異なる課題が存在する。その一つが、強制アクセス制御(MAC)機能であるSELinuxとの共存である。SELinuxはOSのカーネルレベルで動作するため、EDRエージェントが利用するカーネルモジュールと競合し、機能不全や動作の不具合を引き起こす可能性がある 54

この競合は、両者がOSの深いレイヤーで制御を行うために発生する、サーバーに特有の技術的課題である。この問題への対処法を知っているかどうかが、サーバー環境におけるEDR導入の成否を分ける決定的な要素となる。ベストプラクティスとして、パロアルトネットワークスのCortex XDRのように、EDRエージェントをインストールする前にSELinuxを有効にしておくことが推奨されている 58。これにより、エージェントが互換性問題を回避するための適切な設定を行う。また、SELinuxが有効な場合、EDRの一部の機能が無効になる可能性があるため、事前に機能制限を理解し、そのリスクを許容できるか判断することが不可欠である 57

SELinuxの拒否ログ(AVC denial)は/var/log/audit/audit.logに記録される。これを適切に解析し、EDRエージェントとの競合原因を特定することで、両者が共存できる最適な設定を見つけ出すことが可能となる 59

結論:サーバーセキュリティの未来と次の一手

統合セキュリティの姿

サーバーセキュリティは、従来の単一製品による防御から、EDR、MDR、XDR、CWPPが有機的に連携する統合プラットフォームへと進化している。今日の高度なサイバー攻撃は、エンドポイントだけでなくネットワークやクラウドを横断するため、単一のツールで対処することは不可能である。EDRは侵入後の「監視」と「対応」に焦点を当て、MDRは運用を外部に委託することで人材不足を補う。そして、XDRは複数のセキュリティレイヤーのデータを統合分析することで、攻撃の全体像を可視化し、セキュリティオペレーションの生産性を向上させる。AIは、アラートのトリアージや自動復旧を担い、アナリストの負担を軽減することで、セキュリティ体制の自律性を高める。

サーバー向けEDR導入ロードマップに向けた提言

企業が複雑なサーバーセキュリティの課題を乗り越え、強固なデジタル基盤を構築するためには、以下のロードマップに沿って戦略的な意思決定を進めることが不可欠である。

  1. 現状把握と計画策定: EDR導入の目的を「事業継続性の確保」という観点から再定義する。全サーバー資産の棚卸しを行い、レガシーシステムや特殊環境の互換性リスクを事前に洗い出す。
  2. 製品・サービス選定: ライセンス費用だけでなく、運用コストを含めたTCOを基に、クラウド型かオンプレミス型かを判断する。自社の人材リソースを冷静に評価し、MDRサービスの活用を前提とした選定を行う。
  3. 技術的検証と体制構築: 本番環境への影響を最小限に抑えるため、徹底した事前検証を実施する。特にLinuxサーバーではSELinuxなど既存のセキュリティ機能との競合を詳細にテストする。並行して、MDRサービスの導入や、社内インシデント対応(IR)フローの策定を進める。
  4. 継続的改善: 導入後も、定期的なチューニングとアラートのレビューを通じて、運用体制を継続的に最適化する。サイバー攻撃は常に進化するため、セキュリティ対策に「終わり」はない。

本レポートが、企業がサーバーセキュリティの複雑な課題を乗り越え、強固なデジタル基盤を構築するための羅針盤となることを願う。

引用文献

  1. サーバーサイドでのEDR活用とは?重要性とメリットをわかりやすく解説 - 株式会社アクト, https://act1.co.jp/column/0361-2/
  2. EDRとは?EDRの知識と導入運用のススメ | 株式会社ラック, https://www.lac.co.jp/lp/edr/
  3. 【比較表あり】EDR製品おすすめ12選!機能や選び方、メリットも解説 - ITトレンド, https://it-trend.jp/edr/article/815-578
  4. 【12のEDRを比較】情シス目線で選ぶEDR運用ベンダー2選|DEFENDER, https://www.edr-defender.com/
  5. MDRとSOC、セキュリティ体制構築のベストプラクティスとは | サイバーセキュリティ情報局 - ESET, https://eset-info.canon-its.jp/malware_info/special/detail/240618.html
  6. エンドポイントセキュリティとは?脅威対策の必須要件とベストプラクティス, https://mnb.macnica.co.jp/2023/07/aptir/endpoint.html
  7. 国内マネージドEDR市場は前年比42.6%増、中堅・中小企業に導入が広がる ITR | IT Leaders, https://it.impress.co.jp/articles/-/25633
  8. エンドポイントセキュリティ製品の「運用込みの包括的な提供」が広がる IDCの国内MDR市場動向調査 | IT Leaders, https://it.impress.co.jp/articles/-/27435
  9. 国内MDR市場動向に関する調査結果を発表 ~SOC/NOC一体運用や、包括的導入支援がMSSPの価値に~ - IDC, https://my.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ53171125
  10. ITRの調査レポートにおいて、EDR/NGAV市場で7年連続シェアNo.1を獲得 - サイバーリーズン, https://www.cybereason.co.jp/news/press-release/13378/
  11. 富士キメラ総研の調査レポートにおいて、国内EDR市場で6年連続シェアNO.1を獲得, https://www.cybereason.co.jp/news/press-release/12858/
  12. 富士キメラ総研の調査レポートにおいて、国内EDR市場で3年連続シェアNo.1を獲得 - PR TIMES, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000088140.html
  13. ITRの調査レポートにおいて、 EDR/NGAV市場で7年連続シェアNo.1を獲得 - PR TIMES, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000088140.html
  14. 富士キメラ総研の調査レポートにおいて、国内EDR市場で4年連続シェアNO.1を獲得 - PR TIMES, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000088140.html
  15. 【最新版】EDRシェア分析! 世界・日本市場の動向、主要ベンダー、導入メリットまで解説 | 情シスBlog - テクバン株式会社, https://biz.techvan.co.jp/tech-is/blog/security/002867.html
  16. EDR 製品主要4社(Microsoft、Cybereason、CrowdStrike、Trend Micro)の特長と選び方, https://www.softbanktech.co.jp/special/blog/cve/2025/0013/
  17. 次世代エンドポイントセキュリティCybereason EDR, https://www.cybereason.co.jp/lp/1906/
  18. Cybereason Endpoint Detection & Response vs Microsoft Defender for Business (2025), https://www.peerspot.com/products/comparisons/cybereason-endpoint-detection-response_vs_microsoft-defender-for-business
  19. クラウドストライク、クラウド向けサイバーセキュリティ ISV で初となるAWS Marketplace 経由の売上高 10 億ドル突破を達成 - CrowdStrike, https://www.crowdstrike.com/ja-jp/press-releases/crowdstrike-first-cybersecurity-isv-to-exceed-1-billion-in-aws-marketplace-sales/
  20. A Proven Approach to Cloud Workload Security - CrowdStrike.com, https://www.crowdstrike.com/en-us/resources/white-papers/proven-approach-to-cloud-workload-security/
  21. Platform Pricing & Packages - SentinelOne, https://www.sentinelone.com/platform-packages/
  22. SentinelOne | AI-Powered Enterprise Cybersecurity Platform, https://www.sentinelone.com/
  23. CWPPとは?クラウドワークロード保護の必須知識と実践戦略|Microsoft Azureコラム - 東京エレクトロンデバイス, https://esg.teldevice.co.jp/iot/azure/column/column74.html
  24. CSPMとCWPPの違いとは?両者の違いと弱点を補強するサービスを解説! - 三和コムテック, https://product.sct.co.jp/blog/security/what-is-difference-cspm-and-cwpp
  25. Introduction to Cloud Workload Protection Platforms (CWPP) - CrowdStrike.com, https://www.crowdstrike.com/en-us/cybersecurity-101/cloud-security/cloud-workload-protection-platform-cwpp/
  26. 【2025年最新】EDR徹底比較!プロが教える選び方とおすすめ製品 - USEN GATE 02, https://www.gate02.ne.jp/media/it/column_201/
  27. EDRの利点と課題|OA環境のセキュリティログ監視再考 - NRIセキュア, https://www.nri-secure.co.jp/blog/security-log-monitoring
  28. EDRとは?注目の背景・仕組み・選び方・注意点を詳しく解説! - Blog - Menlo Security, https://www.menlosecurity.com/ja-jp/blog/blog-edr
  29. 【2025年最新比較表あり】EDRでエンドポイントセキュリティを強化! 機能やメリット・デメリットをわかりやすく解説 | SFA JOURNAL, https://next-sfa.jp/journal/web-security/strengthen-endpoint-security-with-edr/
  30. 製造業向けEDR導入ガイド:OT/ICS環境リスクと最適な選び方 | SFA JOURNAL, https://next-sfa.jp/journal/web-security/edr-manufacturing/
  31. 【EDR導入を徹底解説】メリットや手順、費用など - wiz LANSCOPE ブログ, https://www.lanscope.jp/blogs/cyber_attack_cpcp_blog/20250605_27565/
  32. EDRとは|サイバー攻撃対策で注目されるエンドポイント対策について - オプテージ, https://optage.co.jp/business/contents/article/20230927-1.html
  33. EDR導入ベンダー 3選!!導入費用の目安もわかる徹底解説【2022年最新版】, https://www.isfnet-services.com/blog/77/edr-vendor
  34. 【2025年最新】EDRおすすめ比較!機能や選び方 | BOXIL Magazine, https://boxil.jp/mag/a7975/
  35. EDR運用の最前線|企業が直面する課題と効果的な解決策|OPTAGE for Business, https://optage.co.jp/business/contents/feature/zero-trust/edr-operation.html
  36. EDRの運用は難しい?運用負荷を軽減できる「FortiEDR」とは | お役立ちブログ - JBサービス。, https://www.jbsvc.co.jp/useful/security/what-is-fortiedr.html
  37. EDR 監視・運用サービス|Vario EDR/EPP - バリオセキュアのサイバーセキュリティ対策ソリューション, https://solutions.variosecure.net/edr-epp
  38. EDRの導入はなぜ失敗するのか? ガートナーが語る「2つの人間系の問題」とその解決策, https://www.sbbit.jp/article/cont1/126811
  39. エンドポイントの最後の砦EDR ~新しい働き方の穴を狙う高度化したサイバー攻撃から企業を守る, https://us.kddi.com/ja/resources/knowledge/blog-20221031/
  40. EDR運用の課題とは?解消するためのポイントを解説 - wiz LANSCOPE ブログ, https://www.lanscope.jp/blogs/cyber_attack_cpcp_blog/20250603_27522/
  41. EDR運用の重要性と課題を徹底解説 - DXナビ, https://dxnavi.com/edr-operation/
  42. セキュリティアラートの大半を占める過検知・誤検知とは? | お役立ちブログ - JBサービス。, https://www.jbsvc.co.jp/useful/security/misdetection.html
  43. マネージドEDRサービス - セコムトラストシステムズ, https://www.secomtrust.net/service/edr/
  44. マネージド検知と対応 (MDR) とは? - CrowdStrike, https://www.crowdstrike.com/ja-jp/cybersecurity-101/managed-security/managed-detection-and-response-mdr/
  45. EDR導入事例 | OPTAGE for Business - オプテージ, https://optage.co.jp/business/solution/zero-trust/download/edr-202404.pdf
  46. 導入事例(キヤノンマーケティングジャパン株式会社):ESETセキュリティソリューションシリーズ, https://canon.jp/biz/solution/security/it-sec/lineup/eset/case/cmj-mdr
  47. EDR+SOCサービスを提供しているベンダー一覧 - DEFENDER, https://www.edr-defender.com/vendor/
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  49. 次世代エンドポイント運用サービス : 富士通エフサス, https://www.fujitsu.com/jp/group/fsas/services/next-endpoint/
  50. 主要MDRサービス徹底比較:BtoB向け 機能・コスト・対応範囲から選ぶ最適解 | SFA JOURNAL, https://next-sfa.jp/journal/web-security/mdr-service-comparison/
  51. SOCサービスの比較14選。違いや費用の目安も紹介 | アスピック - 日本クラウド産業協会, https://www.aspicjapan.org/asu/article/31431
  52. セキュアエッジ MDR99, https://www.secureedge.jp/mdr99/
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  56. AhnLab EDR を活用した、Linux を対象とする防御回避(Defense Evasion)手法の検知 (1), https://asec.ahnlab.com/jp/74083/
  57. Cortex XDR agent compatibility with third-party security products - Review the considerations related to third-party security software integration with Cortex XDR software. - Compatibility Matrix - Cortex XDR - Palo Alto Networks, https://docs-cortex.paloaltonetworks.com/r/Cortex-XDR/Cortex-XDR-Compatibility-Matrix/Cortex-XDR-agent-compatibility-with-third-party-security-products
  58. Learn how to install the Cortex XDR agent on a Linux endpoint. - Administrator Guide - 7.9, https://docs-cortex.paloaltonetworks.com/r/Cortex-XDR/7.9/Cortex-XDR-Agent-Administrator-Guide/Install-the-Cortex-XDR-Agent-for-Linux
  59. How to read and correct SELinux denial messages - Red Hat, https://www.redhat.com/en/blog/selinux-denial2