データの破棄、どうすれば安全?「クリアリング」「パージング」「フォーマット」「破壊」の違いを徹底解説!

プロフィールアイコン

筆者名:城咲子(じょう せきこ)

情報システム部でセキュリティを担当している城咲子です。セキュリティに関する情報や日常の出来事(グチやボヤキ笑)などを発信していきます。(情報処理安全確保支援士/登録セキスペ/CISSP)

\ 好きなことば /

  • 最小権限の原則
  • 測定できなければ管理できない!
  • 失敗する可能性のあるものは、いずれ失敗する。

詳しいプロフィールはこちら

みなさん、こんにちは!城咲子です。今日は、データの破棄について、ちょっとややこしいけれど、とっても重要なテーマについてお話しします。データの破棄方法には、「クリアリング」「パージング」「フォーマット」「破壊」など、さまざまな方法がありますが、それぞれの違い、あなたはきちんと説明できますか?

データの破棄方法、それぞれの違いを徹底解説!

データは、私たちの生活やビジネスにおいて、非常に重要な役割を果たしています。しかし、不要になったデータは、適切に破棄しなければ、情報漏洩などのリスクにつながる可能性があります。そこで、データの破棄方法について、それぞれの違いを詳しく解説していきます。

1. クリアリング(Clearing):手軽にデータを消去したい場合に

クリアリングとは、記憶媒体上のデータを上書きすることで、通常の手段ではデータの復元を困難にする方法です。主に、既存のデータに対して「0」や乱数を上書きすることにより行われます。ソフトウェア的な手法が用いられ、比較的短時間で処理が完了します。

  • 特徴:
    • 一般的なデータ消去方法として広く利用されています。
    • 通常のファイル復元ソフトなどでは、データの復元は困難です。
    • 専門的な技術を用いれば、データの復元が可能な場合もあります。
  • 用途:
    • 通常の業務で不要になったデータを消去する場合。
    • 比較的機密性の低いデータを消去する場合。

2. パージング(Purging):より安全にデータを消去したい場合に

パージングとは、クリアリングよりも高度な手法を用いて、データの復元をほぼ不可能にする方法です。複数回の上書きや、消磁など、より強力な手段が用いられます。専門的な機器やソフトウェアが必要になる場合があります。

  • 特徴:
    • クリアリングよりも高いセキュリティレベルでデータを消去できます。
    • 専門的な技術を用いても、データの復元は非常に困難です。
    • クリアリングとパージングとの相違が技術の発展とともに消滅しているとして、クリアリングとパージングを同一のコンセプトとして扱う場合もあります。
  • 用途:
    • 機密性の高いデータを消去する場合。
    • 法令や規制で定められたデータ消去が必要な場合。

3. フォーマット(Formatting):記憶媒体を初期化したい場合に

フォーマットとは、記憶媒体を初期化し、ファイルシステムを再構築する方法です。クイックフォーマットとフルフォーマットの2種類があります。

  • クイックフォーマット:ファイルシステムのみを初期化し、データは残存する可能性があります。
  • フルフォーマット:記憶媒体全体を初期化し、データを上書きするため、より安全です。

  • 特徴:

    • クイックフォーマットでは、データ復元ソフトなどでデータの復元が可能な場合があります。
    • フルフォーマットはクリアリングに近い効果がありますが、記憶媒体の種類によっては不十分な場合があります。
  • 用途:
    • 記憶媒体を初期化して再利用する場合。
    • OSを再インストールする場合。

4. 破壊(Destruction):物理的にデータを破壊したい場合に

破壊とは、記憶媒体を物理的に破壊し、データの復元を完全に不可能にする方法です。破砕、溶解、焼却など、さまざまな方法があります。

  • 特徴:
    • 最も確実なデータ消去方法です。
    • 記憶媒体を再利用することはできません。
  • 用途:
    • 極めて機密性の高いデータを消去する場合。
    • 記憶媒体の物理的な処分が必要な場合。

まとめ:データの機密性や処分目的に応じて適切な方法を選びましょう!

データの破棄方法は、データの機密性や処分目的に応じて選択する必要があります。

  • 通常のデータ消去にはクリアリングやフォーマットが適しています。
  • 機密性の高いデータ消去にはパージングが推奨されます。
  • 極めて機密性の高いデータや、記憶媒体の物理的な処分が必要な場合には破壊が最も確実です。

これらの情報を参考に、適切なデータ破棄方法を選択してください。

関連情報