- 1. 多要素認証(MFA)とは何か?
- 2. 3つの認証要素「あなたが知っているもの」「あなたが持っているもの」「あなたが何であるか」
- 3. 多要素認証の組み合わせ例
- 4. まとめ:多要素認証であなたの情報資産を守りましょう
1. 多要素認証(MFA)とは何か?
情報システムセキュリティを担当する城咲子です。
近年、パスワードの漏洩による不正ログインが多発しており、パスワードだけのセキュリティ対策では不十分になってきています。そこで注目されているのが、多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)です。
多要素認証とは、ユーザーが本人であることを証明するために、複数の異なる種類の認証要素を組み合わせて利用する認証方法です。
単一の要素が突破されても、他の要素が不正アクセスを防ぐため、セキュリティが大幅に向上します。
2. 3つの認証要素「あなたが知っているもの」「あなたが持っているもの」「あなたが何であるか」
多要素認証は、以下の3つの要素のうち、2つ以上を組み合わせることで成立します。
1. あなたが知っているもの(知識情報)
これは、本人しか知らない情報を使った認証です。
- パスワード
- PINコード
- 秘密の質問と答え
パスワードは最も一般的な認証方法ですが、使い回しや簡単な文字列に設定することで、第三者に推測されやすくなります。
2. あなたが持っているもの(所有情報)
これは、本人しか持っていない物理的な物を使った認証です。
- 物理トークン:パスワードを生成する専用の機器
- スマートフォン:SMSで送られるワンタイムパスワードや、認証アプリ
- ICカード
- セキュリティキー
この要素は、仮にパスワードが漏洩しても、物理的なデバイスがなければログインできないため、非常に有効です。
3. あなたが何であるか(生体情報)
これは、本人の身体的特徴を使った認証です。
- 指紋認証
- 顔認証
- 虹彩認証
- 声紋認証
生体情報は、偽造が難しく、パスワードのように忘れたり盗まれたりする心配がないため、利便性と安全性の両方を兼ね備えています。
3. 多要素認証の組み合わせ例
組み合わせ1: 「あなたが知っているもの」+「あなたが持っているもの」
- パスワードを入力後、スマートフォンに届くワンタイムパスワードを入力してログイン
- PINコードを入力後、物理トークンで生成されたパスワードを入力してログイン
多くのオンラインサービスで採用されている最も一般的な組み合わせです。
組み合わせ2: 「あなたが知っているもの」+「あなたが何であるか」
- パスワードを入力後、指紋認証でログイン
- パスワードを入力後、顔認証でログイン
スマートフォンやパソコンのログインでよく使われる組み合わせです。
組み合わせ3: 「あなたが持っているもの」+「あなたが何であるか」
- 物理トークンを挿入後、指紋認証でログイン
- セキュリティキーを挿入後、顔認証でログイン
特に高いセキュリティが求められるシステムで利用されます。パスワードが不要になるため、パスワード漏洩のリスクをなくすことができます。
4. まとめ:多要素認証であなたの情報資産を守りましょう
多要素認証は、単一の要素では実現できない強固なセキュリティを提供します。
「パスワードだけでは心配」と感じている方は、ぜひ多要素認証に対応しているサービスを積極的に利用することをおすすめします。あなたの情報資産を守るために、今日から多要素認証を始めてみませんか?