X.500とは?ディレクトリサービス規格の基本をセキュリティ専門家が解説

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筆者名:城咲子(じょう せきこ)

情報システム部でセキュリティを担当している城咲子です。セキュリティに関する情報や日常の出来事(グチやボヤキ笑)などを発信していきます。(情報処理安全確保支援士/登録セキスペ/CISSP)

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ネットワーク上で組織や個人の情報を効率的に管理・検索するための国際標準規格「X.500」。電子メールアドレス帳や組織のディレクトリ、公開鍵基盤(PKI)など、様々な場面で活用されています。

今回は、X.500の基本概念から特徴、用途、そしてLDAPとの関係まで、セキュリティ専門家の視点から分かりやすく解説します。

X.500とは?

X.500とは、国際電気通信連合(ITU-T)と国際標準化機構(ISO)/国際電気標準会議(IEC)が共同で策定した、コンピュータネットワークにおけるディレクトリサービスに関する国際標準規格です。

つまり、ネットワーク上の情報を整理し、効率的に検索するための「住所録」のようなものです。

X.500の主な特徴

X.500には、主に以下の3つの特徴があります。

1. 階層的なディレクトリ構造

組織や個人の情報を階層的な構造で管理します。これにより、大規模なディレクトリでも効率的な検索が可能です。

例えば、国、組織、部署、個人といった階層で情報を管理することで、目的の情報に素早くたどり着けます。

2. 分散データベース

ディレクトリ情報を複数のサーバーに分散して保存できます。これにより、システムの可用性とスケーラビリティが向上します。

一部のサーバーに障害が発生しても、他のサーバーが稼働していれば情報にアクセスできます。

3. グローバルな名前空間

世界中の情報を一意に識別できるグローバルな名前空間を提供します。

これにより、異なる組織やシステム間でも情報の共有や連携が容易になります。

X.500の主な用途

X.500は、主に以下の用途で活用されています。

  • 電子メールアドレス帳:
    • 電子メールアドレスやその他の連絡先情報を管理するために使用されます。
  • 組織のディレクトリ:
    • 企業や組織は、従業員や部門の情報をX.500ディレクトリに保存できます。
  • 公開鍵基盤(PKI):
    • 公開鍵証明書を管理するために使用されます。

X.500とLDAP

X.500は、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)の基盤となっています。LDAPは、X.500の機能をより軽量に実装したプロトコルであり、インターネット上で広く利用されています。

つまり、LDAPはX.500をインターネットで使いやすいように改良したものと言えます。

まとめ

X.500は、組織や個人がネットワーク上で情報を効率的に管理・検索するための基盤となる重要な技術です。近年では、クラウドコンピューティングやIoTの普及に伴い、X.500の重要性が再び注目されています。

X.500とLDAPの関係性を理解し、適切なディレクトリサービスを選択・活用することで、より安全で効率的な情報管理を実現しましょう。